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日本人トレーダーに人気の豪ドル円。
さて、2021年はどのような値動きをしていくのでしょうか??
特に2020年末に豪中関係がさらに悪化したこと、米国の政権交代が豪ドルの値動きに影響を与える可能性があり注目しておきたいところ。
ここでは豪ドル円の2021年の行方を考えていきたいと思います。
RBAは今後3年は低金利政策を続ける方針
2020年12月1日、オーストラリア準備銀行(RBA)は政策金利を0.10%で据え置きました。
まりえ
現時点においては低金利政策を続ける立場を見せました。
豪ドル円は少し前まではスワップ目的のFX投資家に人気の通貨でした。
…が、当面は低金利政策が維持されますのでスワップ派のトレーダーにとってはしばらく魅力がない通貨かもしれませんね。
しかし、一方でRBAの緩和政策や豪州政府の財政支援策で、豪州の住宅マーケットが回復しつつあり、コロナにより停滞していた住宅建設マーケットも回復の兆しを見せています。
また鉄鉱石価格の上がったことで、豪州は100億豪ドルの経常黒字に。
経常黒字により、コロナ危機後でも実需層を中心に豪ドル相場を下支えしています。
2020年、さらに悪化した豪中関係
そもそも2016年頃までは、オーストラリアと中国の関係は良好だった
彼の就任がオーストラリア外交を米国寄りから中国寄りになる一つのきっかけとなりました。
中国の経済発展により、オーストラリア鉄鉱石が中国に輸出されるようになり、やがて最大の輸出相手に。
豪ドルが中国経済に影響されやすくなったのも、このためです。
豪中関係が悪化したきっかけは?
2017年にオーストラリアの政治家が中国共産党とつながりがある人物から政治献金を受け取っていたことから始まるいくつかの汚職事件です。
労働党議員が中国人実業家から資金援助を受けたうえで、南シナ海領有権問題で中国寄りの発言をしていたことが発覚!
オーストラリア政府は、外国人からの政治献金を禁じる法律を成立させます。
これに中国が反発。
オーストラリア政府関係者のビザ発給を停止することを発表。
このようないざこざが貿易摩擦へとつながっていくのですね。
2020年は、特に貿易摩擦が深刻化
4月
モリソン政権がコロナが最初に拡大した中国の初期対応についての検証作業が必要だという意見を示します。
中国はこれに猛反発。
5月
豪州産牛肉の輸入停止措置、大麦の追加関税、中国国民には豪州への渡航自粛を呼びかけます。
6月
それらの措置に対抗して、豪州は外国投資法を制定。
外国からの投資の一部を制限しようとします。
これにより金鉱山の買収を計画していた中国企業が撤退せざるをえなくなります。
8月
オーストラリアは5Gの参入条件を厳格化。
直接名前は挙げなかったものの、明らかに中国企業ファーウェイの参入を制限させるものでした。
11月
中国外務省の趙立堅副報道局長が、ある写真をTwitterに投稿。
そこに写っていたのは、オーストラリア兵士がアフガニスタンの子どもにナイフを突きつけている所でした。
モリソン首相は、これをフェイクと糾弾。
中国に謝罪と画像の削除を求めました。
これがオーストラリアと中国の関係を極限まで悪くします。
中国は豪州産ワインの輸入に最大212.1%の関税を課すことを取り決めます。
中国は、豪州ワイン全体のおよそ40%近くを占める1番の取引相手です。
その他、石炭にも制裁関税を発動。
でも輸入規制を厳しくしすぎた結果、中国の火力発電所が停止し、停電が各所で頻発しているという話もあります。
一方で、中国への輸入規制が強まっているものの、鉄鉱石の価格は高水準で上昇し、豪ドル相場を押し上げています。
米国の政権交代により中国がどのような姿勢を取るかに注目
今後は中国が米国の政権交代によりどのような立場になっていくのかが焦点の1つにもなります。
前トランプ政権は、激しい貿易戦争を繰り広げるなど、中国には厳しい態度を取り続けていました。
ところがバイデン大統領はまずはトランプ色を一掃するのではないかとの見られています。
中国に対しては日本・米国・オーストラリア・インドの4か国によるQuadという軍事的な協力関係が築かれています。
これによって中国を牽制する形となっています。
まりえ
また、米国の中国に対する強硬姿勢が弱まり、中国が強気になると中国と関係の悪いオーストラリアにも影響が及ぶことは容易に想像できます。
Quadをバイデン政権は継承することを表明しており、当面はトランプ政権の戦略が続くことになり、ひとまず安心。
でも、これが覆ることになれば…。
両国の力関係の変化にも注目が必要です。
テクニカルからの豪ドル円予想
週足
豪ドル円は長い下降トレンドでしたが、2020年3月のコロナショックで底を付けてから反転しています。
上昇トレンドへ転換したかどうかというと、週足ではまだ判断できません。
チャートを見ると2019年8月、2020年3月、2020年11月の3つの底を作ったトリプルボトムを形成しています。
まりえ
この後、そのまますんなりと上がっていくシナリオも考えられますが、ネックラインに向かって戻っていく動きがみられる可能性があります。
すると、ネックラインを割って再び下降するパターン、ネックライン上をしばらく揉み合う動きを見せるパターンが考えられます。
日足
上昇トレンド中ではあるものの、これまでのサポートラインを割り込んでますね。
ダウ理論で考えると、トレンドが崩れていることを示唆しているので、トリプルボトムのネックライン76~76.5円付近まで押し戻される場合も。
76円を割ったら下降トレンドになる見込みもありますが、76円で反発して再び上昇するケースも考えられますね。
2021年は豪州の景気、豪中関係に注目
豪ドル円の値動きについて考えてみました。
まりえ
長期で豪ドルを保有する投資家にとっては、ひとまず安心材料と言えるでしょう。
今後は、悪化した中国との関係、政権交代した米国の対中国への姿勢がどのようになっていくかに注目です。
中国の立場が国際的に変化していくと、豪州へ影響を与える可能性があります。