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南アフリカランドは、高金利通貨。
スワップ狙いの投資家に人気が高いです。
まりえ
なので、今回は南アフリカランド/円の値動きをお伝えしていきますね!
南アフリカの規模は?
アフリカ大陸の最南端にあり、人口5900万人の国です。
名目GDPはサブサハラ・アフリカ(サハラ砂漠より南の地域)内の20%を占めていて、ナイジェリアに次いで第2位の経済大国です。
人口
出生率が高く、人口動態は有利な状態が続くでしょう。
貿易
貿易に積極的な国です。
2009年あたりから、貿易相手国のメインが欧州→アジア・アフリカ地域へと変わっています。
特に、中国は2009年から最大貿易相手国で、緊密な関係を維持しています。
南アフリカの弱点
- 経済成長率が低い
- 失業率が高く深刻な雇用問題を抱えている
まりえ
その理由として、既存のインフラがアパルトヘイト期に整備されたもので劣化が進んでいるのに新たなインフラ投資、設備投資が不足しているという点が挙げられます。
現状、電力や水道の供給も不安定な状態で、普通の日常生活を行うことも困難な人々がいるのです。
その上、教育水準が低く、汚職や労使紛争が多発している環境ですので、せっかく若い人口が増え続けてもそれを活かせない環境が続いています。
ここ10年間の南アランド/円の値動き
この10年ほどの間の南アランド/円がどのような動きをしてきたかを見てみましょう。
- 2008年10月 世界金融危機により大幅下落
- 2010年 FIFAワールドカップに向けて上昇
- 2011年 ドル高、円高の影響で下降
- 2016年 チャイナショックにより大幅下落
- 2020年 コロナショックにより下落
2008年10月 世界金融危機で大幅下落
10月24日、サブプライムローン問題を発端とした世界金融危機で、ランド/円は13.958円から6.3円も急落して7.62円になります。
2008年10月は世界中で為替、株価が大幅下落しましたが、新興国通貨である南アランドは大打撃を受けました。
2010年 FIFAワールドカップに向けて上昇
その後2009年頃からFIFAワールドカップ南アフリカ大会に向けて南アランドは上昇し、大会前後は横ばいで推移します。
上昇の要因はワールドカップ開催に向けて南アフリカが世界中に注目されたことがあります。
それに加え、南アフリカのインフレ圧力の低下と景気の先行き不安により段階的に政策金利を引き下げたことと、新興国通貨が中国景気にけん引されて資源国を中心に上昇したことによります。
2011年 ドル高、円高の影響で下降
しかしリーマンショック後の本格的な景気回復で、ドルと円が上昇傾向になります。
これによりランド/円、ランド/ドル共に下落する原因に。
その後、2015年まで鉱山ストライキなど雇用の問題があり、価格を回復できないまま推移することになります。
2016年 チャイナショックで大幅下落
2016年はチャイナショックの煽りを受け、史上最安値の6.37円まで下落してしまいます。
その後反発して値を戻しますが、今度は国内の政治不安により緩やかに下降します。
2020年 コロナショックで下落
コロナの感染拡大によって、世界規模で計り知れない被害が出ました。
南アランドもコロナにより大きく下降し史上最安値の5.60円を記録しますが、この下降は国内の感染拡大というよりも世界的なものよる株安に引っ張られたものと思われます。
というのもアフリカ諸国では現状、当初予想されていたよりもコロナウィルスによる被害は少ない状況です。
インフラが整備できていない状態があるものの、死亡率もそこまで高いという訳ではなく、ロックダウンも解除し、行動規制をレベル5からレベル3まで緩和してきています。
南アランド/円の特徴
2019年の南アランド/円の取引高シェアは全体の0.9%/日となっています。
つまり取引高がわずかで、ボラティリティが高い通貨なんですね。
しかも南アフリカ中銀による為替介入は控えられているため、この状況がボラティリティの高さに拍車をかける形となっています。
なので、世界的なリスクオフが起こると南アランド/円は売られやすくなります。
リスクオン時には資金が流入しやすいのですが、リスクオフになると一気に資金が流出しますので、ランド/円も急落する傾向が見られます。
南アフリカの株式市場が開場している時間帯が、欧州・ロンドン市場という最も市場参加者が多い時間帯と被ることもボラティリティの大きさに繋がっているとも言えるでしょう。
さらに、南アフリカは経済が低成長にとどまっている上に財政難で政府や中銀が適切に為替介入を行うことができないため、リスクオフ状態が終わってもなかなか元の水準まで上昇しにくいのです。
これが下落と横ばいを繰り返す前章のチャートの形状に現れていますよね。
なので、リスクオフ時に南アランドの下落を予想してショートで仕掛けてくる投資家がいるので大幅下落には十分注意が必要。
南アランド/円2020年下半期の見通し
それでは2020年後半の南アランド/円の値動きを予測していきます!
南アフリカランドは2008年から下落基調。カップ&ハンドル形成か?
また、南アフリカの現状からして上昇トレンド転換は難しいものと思われます。
新型コロナウィルスの感染状況が改善したため、5月からは反発していますが、下降トレンドライン(緑)に押さえつけられる形になっています。
ただ、サポートライン(オレンジ)が存在していますので一旦5.9円くらいで下落は一服する可能性もあります。
このチャートですが、2020年3月から現在の6月までの形状を見てみるとカップ&ハンドルを形成しているようにも見えます。
まりえ
3月に6.5円付近で少しもみ合った後、下降して4月から5月にかけてソーサーボトムのような形を作っています。
その後上昇して6月に3月のもみ合い地点(オレンジのライン)で反落しています。
カップ&ハンドルは市場参加者の心理が非常に分かりやすく現れるチャートパターンです。
オレンジのラインまで価格が戻るかどうか着目
3月のオレンジのラインでロングポジションを取ってしまった人が含み損に耐え続けてきて、6月にオレンジのラインに価格が戻ってきた時点でプラスマイナスゼロで終わりにしたくて決済します(売りをする)。
そうして下降したのが現時点です。
追撃のショートとロングが交錯|もみ合いになりやすい
もしオレンジのラインまで価格が戻り、カップ&ハンドル形成になった場合、オレンジのライン上でもみ合いになる可能性が高くなります。
もし、買い勢力が負けたら…
オレンジのラインよりも下に動き始めたら下降トレンド再開とみてショート戦略となります。
下落の目標値は一旦4~5月の底値の5.6円付近となります。
反対に、オレンジのラインを突破した場合は…
一度オレンジのラインに価格が戻ってくるロールオーバーという形になります。
その後、再び上昇し始めたら上昇トレンド開始とみてロング戦略を取ります。
上昇の目標値は2月に推移していた7.4円です。
南アフリカランドはスワップ投資で人気の通貨。値動きだけは要注意
スワップ投資で注目を集めているものの、既に10年以上下降トレンドが続いており、世界のリスクオフに非常に影響されやすい値動きをします。
まりえ
特に2020年後半は、先進国にコロナの第2波が来たら世界経済の打撃は免れません。
南アランドは海外情勢に振り回されることがパターン化していますので、第2波で再び急落という可能性もありますので注意してくださいね。