ユーロの値動きの特徴と2020年後半のユーロ円の推移見通し

ユーロの値動きの特徴と2020年後半のユーロ円の推移見通し

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ユーロは世界2番目の取引量の通貨。

中でもユーロ/円は日本人トレーダーにもなじみがあり、スプレッドも狭いので1度はトレードしたことがあるという方も多いのではないでしょうか?

ここでは、ユーロの値動きの特徴とユーロ円の2020年下半期の見通しをお伝えしていきますね!

1999年に発足したユーロ

現在はEU加盟国19か国と非EU加盟国6か国の25か国がユーロを導入しています。

普通の国の通貨は中央銀行が金融政策を行いますが、ユーロは欧州中央銀行(ECB)が金融政策を担っています。

ユーロ圏内ではヒト、モノ、カネが自由に行き来することができるよう、統一通貨を使用することによって両替の手間や手数料を省略したり、為替変動リスクを避けることができています。

しかし、一方で大国であるドイツ、フランスの経済状況がユーロに大きく影響したり、1つの国の危機がユーロ安につながり、ユーロ圏全体に危機が広がることもあります。

ユーロの変動要因

ユーロ圏の経済

まりえ

ユーロは複数の国の集合体ですので、1つの国で経済危機が起こると他の国に問題がなくてもユーロ安の原因になります。

代表的な出来事が2010年のギリシャショックです。

ギリシャの債務問題が発覚し、その後スペインなどの他の国でも次々と債務問題が表面化したため、ユーロは大打撃を受けました。

このように、経済的に健全な国も経済が脆弱な国の危機に引っ張られることがユーロの弱点です。

近年ではドイツの景気後退がユーロの懸念事項として存在しています。

ユーロの経済はドイツ、フランスに引っ張られていますので、欧州最大の経済大国であるドイツが景気後退となるとユーロには打撃となります。

また、2020年はコロナの影響による景気後退が今後の値動きを占うでしょう。

英国の欧州離脱問題

2018年からのユーロの下降は英国の欧州離脱問題、通称「ブレグジット」が大きいですね。

さまざまな混乱を経て英国の欧州離脱は決定しましたが、2020年の移行期間中に双方で多岐にわたる項目の取り決めを行わなければなりません。

ところがその協議が滞っているのが現状です。

もし、協議が全て終わらなければ再び大混乱になる可能性があり、ユーロも乱高下する可能性がありますので注意が必要です。

難民問題

2015年頃に難民の流入により欧州諸国が混乱に陥ったニュースは日本でも報じられました。

ヨーロッパはその地理的な条件から難民が多く押し寄せる傾向があります。

欧州諸国に流入する難民は多くがシリア難民、アフリカ難民です。
シリアやアフリカでは内戦が続いており、難民がヨーロッパに移ってきます。

ですが、欧州内でも難民受け入れができるほどのキャパシティを持っている所ばかりではなく、受け入れ態勢が整わずに難民を強制送還する措置などを取った国もあります。

難民受け入れにより欧州各国の税金が投入されることや、人権の問題、治安の問題など各国で事情が異なるため、EUとしての舵取りが難しいのが実情です。

米国の経済指標

アメリカ

米国の経済指標はユーロにとっても影響を及ぼします。

特にユーロ/ドル、ユーロ/円はドルとの結びつきが強いため、米雇用統計やFOMCの発表があるときにはトレードを避けたりポジションを少なめにしておくなど対応が必要になります。

そのほか、米国関連で大きなニュースがあるときにはユーロの値動きにも注意が必要です。

ユーロ/円は「合成通貨」

まりえ

ユーロ/円の値動きについて考えるときに知っておきたいのがユーロ/円は合成通貨といって人工的に作られた通貨ペアだということです。

ユーロ/円という通貨ペアがインターバンク市場で取引されることはあまりありません。

実際「ユーロ/円」はユーロ/ドル、ドル/円を経由して取引されているので、ユーロ/円の値動きはユーロ/ドルとドル/円の関連を見ることが大切です。

ユーロ/ドルとドル/円が上昇したらユーロ円も上がり、ユーロ/ドルとドル/円が下降したらユーロ円も下がります

そして、ユーロ/ドル、ドル/円が同じ向きに動いた場合、ユーロはこの2つの通貨ペアよりも大きく動きます。

このように、ユーロ/円の場合はユーロ/円単体で考えるだけでなく、ユーロ/円を構成しているユーロ/ドルとドル/円の動向もチェックしておくと良いでしょう。

ユーロ/円の特徴

  • スプレッドが狭い
  • ドル円よりもボラティリティが高い
  • 欧州市場、NY市場でよく動く
  • 現在はゼロ金利政策になっている

ドル円で利幅が獲れないならユーロ円を

ユーロ/円はドル買い、ユーロ/ドルに次いでスプレッドが狭い通貨ペア。

ドル/円に比べてボラティリティが高いため、ドル円で利幅が稼げないと思っている方にはユーロ/円に乗り換えることをオススメします。

動きのある時間帯は?

ユーロ/円は合成通貨なので、東京市場、欧州市場、NY市場の開場時間に活発な動きを見せますが、特に欧州市場、NY市場でよく動きます。

欧州市場ではトレンドが起こりやすいため、トレードの狙い目の時間帯です。

金利ですが、ECBの政策金利は現在ゼロ金利が続いています。
したがって、スワップ狙いの長期投資には向かないと考えておきましょう。

2020年後半ユーロ/円の見通し

新型コロナウイルス

ファンダメンタルズ的な要因として大きくのしかかる可能性

特に欧州はコロナの被害が甚大で、当初危険とみられていた中国を中心とする東アジアを上回る勢いで感染者と死者が出ました。

現状ではある程度封じ込めができており、感染者の発生は食い止められていますが、米国での感染者が拡大し続けている状態ですので、油断ができません。

欧州でのウイルスの感染拡大による経済的な打撃と、米国で未だ収まらない感染者拡大による経済動向が今後ユーロ/円の値動きに少なくとも影響してくることが予想されます。

また、その影響により英国のEU離脱の移行期限(2020年12月31日)までに協議が終わるかどうかも焦点でしょう。

もし「間に合わない」という状況になれば年末付近に混乱が起こる可能性があります。

以上が2020年後半のユーロ/円のファンダメンタルズ材料です。

上を踏まえてチャートを使ってテクニカル的に値動きを見てみる

ユーロ円日足チャート

ユーロ円は現在下降トレンドです。

まりえ

2020年6月に長期のレジスタンスをブレイクしたように見えますが、現時点では完全にブレイクしたと判断しない方がよさそうです。

現状で楽観的な材料がなければ121円~112円の間で下がっていくのではないでしょうか。

また、116円の水平線がこれまで何回も価格を跳ね返す重要なラインとなっていますので、下降が一旦116円で止まる可能性も高いと言えるでしょう。

さらに細かく見てみると…

116円の水平線がこれまで何回も価格を跳ね返す重要なラインのチャート

Aのレジスタンスをユーロ/円が6月に入ってブレイクしAはサポートラインに。

Bのサポートラインは、2020年1月に下にブレイク→レジスタンスに変わっています。

現在、AとBの間にユーロ/円が挟まれている状態であり、このラインが機能していれば下値は119円台後半、上値は125円台半ばとなります。

目先はAのラインに支えられるのか、下抜けるのかというという点がポイントです。
もし、下抜けた場合は114円までの下降は覚悟した方がよさそうです。

ドル/円よりも大きな利益を狙うならユーロ/円がオススメ

これまでドル/円である程度のトレードをしてきた方でもっと稼ぎたいと思ったらユーロ/円がオススメ。

ユーロ/円は決して簡単な通貨ペアではありませんが、トレンドが出た時にはドル/円よりも大きく稼げるため中級者トレーダーの方にはぜひ挑戦していただきたい通貨ペアです。

ユーロと円の他にドルの動向にも気を配るという点はありますが、トレードのステージを1ランクアップさせるためにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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