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この円安の理由は一体何でしょうか?
また、上昇トレンドはいつまで続くのか?
そこで、2021年のドル上昇の要因についてご紹介します。
2021年は上昇トレンドに転換
2021年のドル円は円安へトレンド転換し、1ドル=115円台半ばまで上がりました。
チャートを見ると特に3月からの大きな上昇と、10月からの大きな上昇の2段階でドル高トレンドが起こったようですね。
2020年はコロナのため市場はリスクオフ状態となり、FRBもゼロ金利政策に進んだので日本円、ユーロとの金利差におけるドルの優位性は失われました。
その後、3月を底としたリスクオフから徐々にリスクオンへの動きが始まり、安全通貨のドルから高リターン商品への投資へと徐々にシフトしていきました。
2021年1月からドル円は上昇していくわけですが、大きな要因は以下でしょう。
- 財政出動への期待による米国債金利の上昇
- FRBによる政策金利の早期利上げ観測の台頭
- ユーロ安傾向
米ドル2021年の上昇要因
1月 財政出動への期待による米国債金利の上昇
1月上旬、アメリカで上院決選投票が行われ民主党が勝ちましたね。
これにより大幅な財政出動への期待が高まり、米10年国債利回りが急上昇し、ドル円は104円まで上がりました。
米10年国債利回り2020年1月~2021年11月
出典:楽天証券
これまで1%を下回る水準で推移してきた米国債利回り。
それが2020年3月以来の1%台を回復すると、日米金利差の拡大によりドル高円安が進行しました。
続く2月も大掛かりな追加経済対策への見込みやコロナワクチンが早々と行き渡るとの観点から国債利回りは上昇、ドル円もそれに伴って上がりました。
3月にかけて米長期金利上昇へ具体的な発言をしてこなかったパウエル議長の議会証言、雇用統計が市場予想を上回ったことなどから国債利回りは1.7%まで上昇、ドル円も110円台に乗せました。
4月〜9月にかけてはドル円の上昇は一度落ち着き、横ばいの状況が続きます。
5月初旬は、雇用統計が予想を下回るなど経済指標が芳しくなく上値が抑えられます。
10月 FRBによる政策金利の早期利上げ観測の台頭
ドル円は10月に再び上昇し、一時114円台後半までになります。
- FRBによる早期利上げ観測が起こったこと
- 米国の優良企業の決算が好調だったことで市場がリスク選好の動きを見せたこと
- 資源価格のはね上がったことによる日本の貿易赤字を予想した動き
ユーロ安もドル上昇の一因に
まりえ
ユーロ圏は2021年前半、経済指標の結果が芳しくなかったこと、3月にかけてロックダウンの延長や広まりを受けて下降しました。
4月以降、経済指標が好調だったほか、ワクチン追加調達を欧州委員会が発表したことなどにより上昇しますが、5月末をピークに再び下落基調へ。
景気回復期待が高まるアメリカと停滞が長期化する欧州との観点が市場に意識されて上値を押さえ、さらに米欧間の金融政策正常化の格差がドル高ユーロ安要因を高めました。
これからのユーロの展開は?
米FRBは早期利上げには消極的なスタンスを見せていますが、市場で利上げ観測が高まれば再びユーロ安圧力がかかるものと思われます。
また、欧州では現在感染がまた広まっていて深刻です。
まりえ
今後はドル高基調が一服するとの見込を持たれている
2021年、10円以上上がったたドル円。
今後さらに上昇するのでしょうか?
結論から言えば上昇は一服するのではないか、というのが市場の見方です。
上昇が一服する3つのワケ
- FRBの政策金利の利上げは既に市場が織り込んでいること
- 資源価格上昇が一服しており今後資源の供給不足が徐々に解消する見込みであること
- ドル円に関して言えば既に投機筋の円売りポジションが高水準となっておりこれ以上の円売り余力は残されていないこと
目先では、11月に付けた115円台半ばの水準を突破するかどうかが注目ポイントです。
もし突破し116円台に乗せれば、更なる上昇が期待できそうです。
引き続き世界情勢を注視しながらトレードしよう
今後のドルの上昇も予想されるものの、まずは一服するとの見方を持たれています。
楽観視しすぎてムリなポジションは持たず、世界情勢を注視しながらトレードしていきましょう。