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為替は市場の需給により、相対的に高くなったり安くなったりを繰り返します。
ゴールド(金)も同様に価格が変動していますが、特にリスクオフ時に金が注目される傾向があり、金相場も2000年ごろから上昇し続けています。
そんな金ですが、為替との相関関係はどうなっているのでしょう?
ここではユーロドルと金の相関関係について見ていきましょう。
ドルとゴールド(金)は逆相関
ドルは世界の基軸通貨
世界の市場参加者は投資商品を買うときに、まず自分の国の通貨をドルに換えて、そのドルを使って投資を行います。
そのため、市場や政局が安定している状態ではドルは買われやすい傾向があります。
逆に市況が不安定になったり世界的な事件が起こるとリスク資産から資金が引き上げられてドルが買い戻しされます。
そのためドルが上昇します。
米国に有事が起こったときは、逆に米ドルが売られます。
特に2001年9月に米国で起こった同時多発テロ以降は、有事のドル売りとなる場面も出てきています。
リスク回避先として目立ってきたのがゴールド
金は現物資産なので、消えて無くなることはありませんね。
まりえ
また、金はドル建てで買うのが世界標準。
ドルが弱くなると金が強くなり、ドルが強くなると金が弱くなるという逆相関が生まれます。
チャートでチェック
上がゴールドの週足、下が米ドル円の週足です。
金が下降しているときは米ドルは上昇、金が上昇しているときは米ドルが下降していますね。
このことから金とドルは、ほぼ反対に動きをすることが分かります。
ユーロドルと金は相関関係にある
金とユーロは、ほぼ正の相関関係
ユーロドルと金の値動きを見ると、金が上がればユーロドルも上昇し、逆にユーロドルが下落すれば金も下がるような動きを見せます。
上がゴールドの週足、下がユーロドルの週足です。
ユーロは経済指標やポンドの値動きにも影響を受けるので、金よりもやや複雑な動きをします。
完全シンクロとまではいかないけれど、似たようなトレンドで推移していることが分かりますね。
ユーロドルと金は特に短期的な値動きで同じように動く傾向
日足で見てみると、長期的に見るよりも両者の相関関係を伺えます。
ユーロキャリートレードによるユーロの売買が影響している可能性
「円キャリートレード」という言葉を知っていますか?
これは金利の安い円を売ってドルや他の外貨を買い、運用する取引のこと。
リスクオフ相場になると円キャリートレードを行っていたトレーダーはポジションの解消を迫られ、反対取引をするので円高に向かうことがありました。
これを「円キャリートレードの巻き戻し」と言います。
最近では円キャリートレードではなく、ユーロキャリートレードが主流になっています。
というのも、ユーロは長らくゼロ金利政策をとっています。
そのため、ユーロを売って外貨を得る人が増えています。
その結果、リスクオフ相場になるとユーロの巻き戻しが起こるようになり、有事で買われやすい金と同じような値動きを見せるようになったのです。
金利も金価格に影響する
金利は長きにわたり金価格の決定要因として最も信頼性が高いものとして挙げられます。
ゴールドには金利が付かない
金利が高いときは金で寝かせておくよりも高いリターンを見込めるキャッシュや債券に投資した方が利益を見込めるため積極的な投資が見られます。
逆に金利が低い場合、キャッシュや債券への投資はリターンが少ないか、場合によってはマイナスになるので、資産の価値を安全に保つために金で保有したり、他の安全資産を探すことになります。
金価格と関連性の高い金利の代表的なものが米国債で、特に「米国物価連動国債(TIPS)」です。
TIPSの利率は固定だけれども消費者物価指数の変動により元本が変わるため、インフレ率が上がると受取の利息額が上がり、逆にデフレになると受取利息額が低くなります。
まりえ
ユーロドルと金の関連性を見ながらトレードする
ユーロドルと金は、どちらかが上昇すれば追いかける形でもう一方が上昇します。
2つのチャートを比較して値動きを観察して上昇または下落を察知してトレードできます。
また金利の動向をチェックし、金利が上がれば金価格下落につながるので、ユーロドルも売り戦略の準備をするなどその先のトレードを見通すこともできますね。
ただユーロドルは市場参加者も多く、欧州周辺の経済的・政治的事象も絡み合うので複雑な値動きをします。