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ドルといえば世界の基軸通貨ですよね。
でも、近年世界の外貨準備におけるドルの割合がジリジリと低くなってきているのです!
- 実際、ドルの地位は危ういのか?
- 他に台頭してくる通貨は存在するのか?
まりえ
第二次大戦後はドルが世界の基軸通貨
今はドルが基軸通貨だけど、第二次世界大戦まではポンドがその地位にあった
英国は世界の貿易・海運、金融取引の中心地であり、産業革命で高い貿易シェアを有していたことなどから19世紀頃からは世界の基軸通貨となっていました。
第一次大戦後〜第二次大戦前まではポンドとドルが基軸通貨として並び立つ複本体制の時代でした。
第二次大戦後は、ドルが基軸通貨に取って代わった
1950年代にはポンドの衰退が目立ち、ドルがただ1つの基軸通貨となりました。
その理由は英国や欧州は第二次大戦で大きな被害を受け、巨額債務を抱えた反面、ほぼダメージがなかったアメリカは世界の金の2/3を持ち、経済援助としてドルを世界中に供給したためです。
このように、アメリカの経済発展や大戦による影響でドルが世界の基軸通貨となり、現在まで続いています。
世界の外貨準備に占める米ドルの割合は下がっている
IMFの「公的外貨準備の通貨別構成(COFER)」
米ドルの割合は1999年が約71%であるのに対し、2021年には59%を割り、20年以上に渡って減じています。
外貨準備の構成に関して見られる変化の一例
イスラエル銀行は最近2000億ドルを超える自行の準備資産に関する新戦略を発表しています。
その内容は2022年以降、米ドルの比率を減らし、オーストラリアドル、カナダドル、中国人民元、日本円を引き上げるポートフォリオ配分に変えるというもの。
世界の外貨準備高で米ドルの割合が低下したけれど•••
ユーロやポンドのようの他の大国の準備通貨のシェアが拡大したわけではありません。
また、人民元に関してはロシア1国だけで世界全体の人民元建て準備通貨の3分の1近くを保有しているので、必ずしも世界的に見て人民元の割合が増えている訳ではありません。
通貨のシフトが起きたワケ
- リターンが高いわりにボラティリティが低いため中央銀行の外貨準備として魅力が高く、ポートフォリオ配分としての比重が高まりやすい。
- AIなどの新しい金融技術により小国の通貨をより低コストで容易に取引できるようになった
今後米ドルは基軸通貨から陥落する!?
では実際にドルは世界の基軸通貨から追い落とされてしまうのでしょうか?
以下、2022年6月30日に国債通貨基金(IMF)の公表データです。
- ドル58.8%
- ユーロ20%
- 円5.3%
- 人民元2.8%
全四半期からドルは横ばい、ユーロは0.6%低下しています。
2022年からのウクライナ情勢も影響し、ドルが強まりユーロが弱まる動きを見せ、当面はこの傾向が続くと見られています。
つまり、紛争リスクや国際的な経済危機が高まった場合、当面は有事のドル買いが行われると推測できます。
更に、ドル離れが進んでいるとはいえ、ドルはユーロに比べて倍以上の外貨準備割合を誇っています。
今すぐにドルが価値を失うことは、まずありえないと考えてよいでしょう。
今後FXに影響はあるか?
これらの状況を踏まえて今後FXトレードに影響があるかどうかと言えば・・・、
上でもご紹介した通り、ドルの外貨準備は2022年現在でもユーロの倍以上あります。
ウクライナ情勢によりユーロが弱まる動きを見せていますので、まだまだドルの需要は高いと考えます。
ただ、市場の環境は刻々と変化していっていますし、これまでの歴史から基軸通貨の交替は実際ありました。
データからも世界の外貨準備通貨は多様化してきていることが分かります。
十分注意して動向をしっかりとチェックのうえ投資することをオススメします。
投資環境は変化していく!動向はしっかりとチェックしよう
世界の外貨準備でドル離れが進んでいる件について考えてみました。
今のところはドルの基軸通貨の地位は保たれているでしょう。
ただ、一部でドル離れの動きが生じており、今後ドルの地位低下につながる可能性もあります。
まりえ
でも、短期的にドルが基軸通貨から陥落する可能性は極めて低いと考えられます。
とはいえ、投資環境は変化し続けるので、しっかりと経済動向はのチェックはお忘れなく✨