豪ドルの値動きの特徴&2020年後半の豪ドル円の推移見通し

豪ドルの値動きの特徴&2020年後半の豪ドル円の推移見通し

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スワップ狙いの通貨の元祖ともいえる豪ドル。
2015年以降は低金利ですね。

トレンドが継続しやすい反面、資源国通貨であり、中国景気やリスク相場に弱いという特徴がありますので、トレードのタイミングや戦略で注意が必要な通貨でもあります。

豪ドルとはどのような通貨?

豪ドルの正式名称はオーストラリア・ドルです。
1966年から使われており、それまでは英国のポンドが使用されていました。

というのも、オーストラリア元首は英国のエリザベス2世だから。
現在のオーストラリア・ドルもエリザベス女王の肖像画がデザインされた紙幣となっています。

オーストラリアの輸出品の半分を占めるのが鉄鉱石などの鉱産物となりますので、商品価格、特に鉄鉱石の価格に連動しやすいという特徴があります。

豪ドルの魅力ってなあに?

  • 資源国通貨である
  • 景気が底堅い

近年は資源価格が上がっているため、豪ドルの上昇要因となっています。
また、オーストラリアの景気の底堅さも上昇要因となりえます。

豪ドルの注意点

一方で豪ドルで気を付けたいのは、以下の点。

  • 低金利となりスワップの魅力がなくなった
  • 中国景気に左右されやすい
  • リスクオフ局面に弱い

かつては高金利通貨だったので、スワップ狙いの投資家に人気でしたね。

リーマンショック前は7%という高金利政策を実施しており、当時は豪ドルの金利を狙った投資を各金融機関が猛プッシュしていたほどです。

まりえ

しかし、最近は低金利政策を続けており、2018年頃には米ドルよりも低金利になり、現在の金利は0.25%です。

スワップの魅力は全くなくなり… 。

今後もかつてのような高金利に戻っていくということはまずなさそうですので、スワップ投資ではなく、値幅を狙った投資に切り替えていくほうが良いでしょう。

また、豪ドルの資源の輸出先の第1位は中国となりますので、中国景気に左右されやすいという特徴もあります。

しかし、近頃は中国との関係悪化が表面化し、「脱中国」へと方向転換してるのでこの傾向は解消されるかも

さらに豪ドルはリスクオフ局面に反応しやすい特徴があり、世界で株安などが起こったときには当事者の国の通貨よりも急落するおそれがありますので注意が必要です。

豪ドルの価格変動要因

豪ドルの主な価格変動要因
  • 資源価格
  • 中国景気
  • 米国との金利差

資源価格

オーストラリアと言えば羊毛や肉牛のようなイメージがありませんか??
実は、1番の輸出品目は「鉱産物」で輸出高全体の半分以上!

中でも鉄鉱石は輸出額の2割以上を占めており、鉄鉱石の価格に連動する傾向があります。

鉄鉱石は現在上昇要因が多く、上昇トレンド中ですので、豪ドルの上昇要因とっています。

しかし、2016年以降はオーストラリアが留学生受け入れの教育産業や観光客へのサービス業に力を入れ、その分野が大きく伸びており、資源輸出に頼らない経済構造ができつつあります。

そのため、以前より鉄鉱石価格に連動しなくなっており、今後は必ずしも鉄鉱石の値動きと同じようには動かないでしょう。

中国景気

豪州の鉄鉱石の最大の輸出国は中国。
ですので、中国景気の上昇は豪ドルが上がることに繋がります。

しかし、近年は豪中関係が悪化しています。

豪中関係が悪化のワケ
  • 中国共産党が豪州の政治やメディアに干渉しようとしている
  • 野党議員が共産党から献金を受けていたなどの報道

豪政府は中国の内政干渉を防ぐために、通信整備の中国企業の参入禁止や内政干渉に関する法案を整備するなど、脱中国に動いています。

オーストラリアが中国に頼らない経済構造を実現すれば、豪ドルも中国景気や中国関連のニュースに左右されなくなるでしょう。

米国との金利差

現在は高金利通貨ではない豪ドルですが、高金利通貨としてのイメージは強く、他国通貨との金利差は豪ドルの変動要因になります。

日本は低金利政策が長く特に豪ドルに影響を与えませんが、米国の金利政策は豪ドルの値動きに影響しやすい傾向があります。

かんたんに言えば、米国が利下げすれば豪州との金利差が広がり上昇要因となり、米国が利上げすれば豪州との金利差が縮まり下降要因となります。

豪ドル/円の10年間の値動き

豪ドル/円の10年間の値動きチャート

まりえ

2013年以降、長期に渡って下降し続けています。
リスクオフ相場に弱く世界的な株安で大きく下落するパターンを繰り返しています。

まず、2008年はサブプライムローン問題を幕開けとした株安が起こり、豪ドル/円は大きく下降。
特に世界金融危機が起こった10月は1カ月で30円も下落しています。

その後豪ドルは元の水準まで戻りますが、2015年の6月のチャイナショックで大幅下落します。

2012年から段階的に利下げを行ったため、2013年から下降トレンドが始まります。

2016年から一旦は上昇しますが、米国が2016年から利上げに政策転換しますので再び下降トレンドとなります。

2020年はコロナのせいで大幅下落しますが、今は元の水準に戻っています。

2020年後半豪ドル/円の値動き予想してみます!

2020年後半豪ドル/円の値動き予想チャート

豪ドル/円は、下降トレンド中。

2015年からはAのレジスタンスとCのチャネルラインの間を移行し、2017年からはその中でもBのチャネルラインとの間を推移しています。

2020年の新型コロナウィルスの世界的な蔓延により、大きく下げC線まで下がった後にA線まで値を戻しています。

現在、レジスタンスラインAと水平線Dが交差する水準なので、今は重要ポイントですね。

\チャネルラインをマスターしよう!/

今後考えられるシナリオ

  1. 水平線Dがサポートとなり、上昇トレンドに転じるケース
  2. 水平線を突破できず、チャネルラインBとの間をジグザグしながら緩やかに下降という2017年からの流れを踏襲するケース
  3. レジスタンスAから下降し、チャネルラインCまで下降するケース
有力なのは②か③で、大きな下降トレンドの流れは変わらないものと考えます。

コロナ、対中関係で大きなマイナス要因があれば③でいくつかの段階を踏みながら下降していくか、または突発的なニュースで急落する可能性があります。

そうしたら、豪ドル/円は60円割れする見込みがあるので、ポジション管理に注意しましょう。

年末にかけて特に大きな事件がなければ②のAとBの間をジグザグする動きが考えられますが、この場合も65円くらいまでの下降は頭に入れておいた方がよさそうです。

2020年豪ドル/円は円高リスクに注意しつつトレンドに乗るのがポイント

豪ドルの値動きの特徴と2020年後半の豪ドル/円の行方について解説しました。

2020年はコロナ、米中の関係悪化、米大統領選と為替にインパクトを与えかねない材料が目白押しです。

豪ドルはリスクオフ相場に大きく反応する傾向がありますので、ポジション管理厳しめに行っておいた方が無難です。

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