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国際決済銀行(BIS)は世界の60の国と地域の中央銀行が加盟している組織。
スイスのバーゼルが本部。
もともとはドイツの第1次大戦賠償支払いに関する事務を扱っていました。
まりえ
国際決済銀行とは
国際決済銀行(Bank for International Settlements、BIS)とは、第1次世界大戦の賠償問題の解決のために1930年に創設した国際機関。
BIS創設はIMFや世界銀行等よりも15年ほど前のことであり、世界で最も古い国際金融機関の1つ。
世界の中央銀行の位置づけで、各国の中央銀行の代表の会合も開かれます。
日本銀行の総裁が出席するこの会合はG10と呼ばれます。
このG10を中心にグローバル金融システム委員会や金融安定化フォーラムなど、様々な機構や委員会が設置されました。
2019年6月時点で、日本を含め60の国と地域が加盟。
日銀は1994年の9月からBISの理事会のメンバーに。
まりえ
毎年6月か7月に加盟している中央銀行の代表者が、バーゼルのBIS本部に集まって年次総会を行います。
日本からは日銀総裁が出席しています。
総会での議決権減は各代表者が属する国が引き受けているBISの株式数に比例します。国際決済銀行で決定した事項は国際法上の拘束力や罰則はありませんが、G10の参加国は自国の法律にG10の決定事項を反映させています。
日本とBISの関係
ここで、日本とBIS関係を見ていきます。
早い段階でBISに参加。第2次世界大戦敗戦で国際社会から排除された経験
同様にBIS加盟に関しても戦後しばらくの間、株主の身分を失いました。
1929年のBIS設立に関わる会議から参加していて、設立後は2名の理事席を獲得。
2名のうち、1名は日本銀行ロンドン代理店監督役、もう1名は横浜正金銀行代表です。
しかしその後、第2次世界大戦で日本は敗戦、国際社会の中心舞台から追いやられることになります。
1950年の10~11月にかけてイングランド銀行が日本保有のBISの株式没収を提案します。
その結果、1951年のサンフランシスコ講和条約で日本はBIS株式を放棄しました。
その後、復帰を働きかけ続け、1964年以後のBIS会合に参加できるようになります。
1970年に日本銀行が株主として復帰、1994年には理事国に復帰
2011年には当時の白川方明日銀総裁がBISの理事会の副議長に努めるなど、日本はBISでの存在感を増しています。
国際決済銀行の役割
各国の中央銀行を株主とする銀行として機能。
- 各国の金融機関の連携強化
- 中央銀行以外の組織との連携
- 各国の金融市場の研究
- 中央銀行の代行
- 国際金融の受託代理業務
各国の金融機関の連携強化
各国の金融動向を注視しながら各国の中央銀行の協力関係を強化します。
中央銀行以外の組織との連携
各国の中央銀行と、それ以外に存在する金融システムを担う機関の関係性を強化。
各国の金融市場の研究
各国が抱える課題を調べ、国際金融政策を策定・推進します。
現在はバーゼルⅢとして知られている銀行自己資本比率をリードしています。
中央銀行の代行
代理で金融取引を行うことも。
国際金融の受託代理業務
国際決済銀行が代理人となることも。
バーゼル規制ってなあに?
BISはさまざまな委員会がありますが、世界各国の銀行監督の強化を目指すのがバーゼル銀行監督委員会。
銀行監督の指針で、主に銀行の自己資本比率の総称を「バーゼル規制(BIS規制)」といいます。
総リスク資産の一定比率の自己資本の保有をリクエスト
1980年代に中南米の累積債務問題の対策として米国が銀行の自己資本比率規制を強化します。
そして、国際業務を行う全世界の銀行が同じ条件で競争できるように米国からBISに他の国に対しても自己資本比率規制の強化を提案します。
1988年、最初の規制いわゆる「バーゼルⅠ」制定されます。
そして2004年に新しく制定されたのがバーゼルⅡ。
2008年の世界金融危機で主に欧米の金融機関の危機的な状況を踏まえ、2010年に金融機関の健全性向上を目的として2010年にバーゼルⅢが制定され、2013年〜プロセスを踏んで施行されています。
まりえ
ですが、各国・地域において実施状況を相互レビューするほか、IMFや世界銀行による査定プロセスも存在するため、実質的な国際的規範としては機能していると言えます。
BISの今後は?
リーマンショック後の金融機関の健全性のためのバーゼルⅢを2028年に完全実施に向けて遂行されています。
現状、バーゼルⅢの本格的な実施は2022年1月からとしていました。
これはコロナの影響に対して各国中央銀行が全力で対応をコミットするために取られた延期措置ですので、今後の状況次第ではバーゼルⅢの実施に対しては柔軟に対応していくことが予想されます。