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米国のFRB議長はその発言や手腕が注目され、FXトレーダーなら誰でも知っている人物です。
これまで様々な金融危機や地政学リスクが起こり、米国経済に危機が訪れましたがそのたびに手腕を発揮してきたのがFRBであり、FRB議長です。
FRBの歴代議長をご紹介
FRBは100年以上の歴史があり、現在のパウエル議長で16代目となります。
この記事では主に絶大なカリスマ性を築いたボルカー、グリーンスパン以降の時代のFRB議長についてご紹介します。
ポール・ボルカー(1976~1987)
カーター、レーガン大統領の政権下でFRB議長を務めました。
ボルカー議長と言えば「インフレ退治」。
1976年のFRB議長就任時、第二次石油ショックの影響で米国の物価上昇率は10%にも達していました。
この激しいインフレ率を抑えるため、金融引き締めを行いインフレを抑制しました。
当時はインフレ退治による政策金利の引き上げにより失業者の増加や景気後退を招いたため「ボルカー・ショック」とも呼ばれましたが、その後米国の「グレード・モデレーション(大いなる安定)」の基盤となりました。
また、ボルカー議長の金融引き締め策はホワイトハウスの強い反発がありましたが、徹底したインフレ退治が功績を得たことで中央銀行の独立性の重要さを印象づけました。
ポチップ
アラン・グリーンスパン(1987~2006)
5期にも渡ってFRB議長を務めた
任期が非常に長かったFRB議長です。
言葉巧みでカリスマ性があり、「金融の神様」「マエストロ」などと呼ぶ声も。
グリーンスパン議長時代の大統領はレーガン、ブッシュ(父)、クリントン、ブッシュ(息子)です。
議長就任2カ月後の1987年10月、ブラックマンデーが起こります。
ブラックマンデーの翌朝にグリーンスパン議長は「FRBは流動性を提供する準備ができている」と発表。
結果、前日20%も下落したNYダウが4%反発します。
これによってグリーンスパンは市場に評価されました。
「根拠なき熱狂」
有名な発言の1つが「根拠なき熱狂」です。
1996年12月に株式が高騰し、FRBは日本のバブル崩壊を連想し危機感を抱いていました。
そこで、グリーンスパン氏は12月5日の講演で「根拠なき熱狂」という言葉を使って当時の株式市場の行き過ぎに疑問を呈しました。
この「根拠なき熱狂」という言葉はその後も相場の行き過ぎやバブルとみられる場面で度々使われるようになりました。
ベン・バーナンキ(2006~2014)
グリーンスパンの後に就任したのがバーナンキ議長です。
大統領はブッシュ、オバマです。
2008年に起きた世界金融危機の際に手腕を発揮します。
ゼロ金利政策といった金融緩和を実施して金融機関を救い、急速な景気後退にブレーキをかけました。
2007年にサブプライム問題の悪化が急速になったため利下げを実施しますが、2008年1月に株価の急落が世界に広まったことを受け、0.75%の緊急利下げを行います。
大胆な利下げを繰り返し、米国は史上初のゼロ金利政策に突入します。
また2013年からは緩和の出口戦略を始め、イエレン議長に引き継いでいます。
ポチップ
ジャネット・イエレン(2014~2018)
まりえ
また、2021年からは女性初の財務長官に就任しています。
FRB議長時代の大統領はオバマ、トランプ、財務長官はバイデン政権下でその任に就いています。
また、異例の1期4年で退任した短命体制の議長となります。
小柄で気さくなにこにこ笑顔が似合う女性で「かわいい」などと日本でも評判がありました。
夫はノーベル経済学賞を受賞したジョージ・アカロフ氏。
イエレン議長はバーナンキ議長の後任として、2008年からの長期間にわたる金融緩和の縮小を就任当初から開始し、緩和の出口政策で功績が認められています。
「政策金利の正常化」のため、2015年末に利上げを再開しましたが、2015、2016共に年1回の利上げにとどめて金融市場の動揺を回避しました。
グリーンスパン氏が様々な言い回しで注目を集めたのに対し、イエレン氏はシンプルな言葉を用いて、透明性のある発信が評判です。
1980年代のサッチャー&レーガン時代から、世界各国で続く法人税率の引き下げは、大企業の利益と庶民の負担を増やしてきた。これに終止符を打つため、イエレン米財務長官は、G20諸国に対し法人税に「最低税率」を設定するよう働きかけている。 https://t.co/XP7r0C8gC5
— 町山智浩 (@TomoMachi) April 5, 2021
ジェローム・パウエル(2018~)
2018年に就任。
ボルカー議長以来の経済学者ではない議長です。
政権はトランプ、バイデン大統領。
トランプVSパウエル
2019年、利下げをめぐってトランプ大統領がFRBに対して圧力をかけ、金融市場に波紋を呼びました。
パウエル議長はFOMC後の記者会見で利下げは「景気回復サイクル中盤での調整」と強調。
今後連続した利下げについては否定しました。
トランプ大統領はこれに即反応します。
例によってTwitterで「Powell let us down」と表明。
直後に対中関税第4弾を発表したため、市場は大荒れに。
また、2020年5月にも、トランプ大統領がTwitterでマイナス金利導入を訴え、パウエル議長は翌日の講演で明確に「検討してない」と述べました。
このようにトランプ政権時はFRBに圧力をかけるトランプ大統領と独立性を守るFRBとの対立が度々見られました。
一部でパウエル議長の発言が株式市場の下げを誘発した的な意見があるようです。個人的には、同氏の過去からの発言と照らし合わせても違和感ないのですけどね。
むしろ淡々と緩和縮小を市場に織り込ませようとしてるように映って好印象。放置すれば後で困るだけだし。https://t.co/gC5JEkMhHH
— エド|US Stock Banker (@e_us_stock) March 26, 2021
【FRB議長の存在】金融市場の重要人物
FRB議長はその時代に起こる金融危機や経済状況に応じて大胆かつ慎重な政策を行い、米国の景気を安定させてきました。
歴代のFRB議長の発言や政策は米国内だけでなく世界中の投資家が注目しています。
FXをやっていく上で、現FRB議長のスタンスや政策金利に関する発言には注目しておいた方が良いでしょう。