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ある程度の値動きが期待できるもののポンド/ドルやポンド/豪ドルほどの荒い値動きはしないので、トレードしやすいです。
そのことから一定以上のトレード経験を持つ投資家に好まれています。
ここではユロポンの特徴と今後の値動きについて解説します。
ユーロ/ポンドの特徴
取引量第2位のユーロと取引量第4位のポンドの通貨ペア。
クロス円ではないので、日本人にはあまり馴染みがないでしょう。
上級者トレーダーには人気の通貨ペア
ドルストレートでもなく、欧州通貨同士という点でも比較的めずらしい通貨ペアであると言えるでしょう。
ユーロもポンドもよく動く通貨なので、ユーロ/ポンドもそれなりの値動きが。
上級者にとっては効率的に稼げる通貨ペアと言えるでしょう。
ユロポンの値動きの性質
中長期では非常にきれいな値動きをするという点が挙げられます。
ドル円のようにテクニカル分析通りには動いてくれないということはなく、ぴったりとハマるような素直な値動きをします。
まりえ
値動きはポンド/ドルとユーロ/ドルに関連する
基本的にユーロとポンドは同じ欧州の通貨なので、対ドルで同じような動きに終始しますが、時々全く違う値動きをすることがあります。
ユーロがポンドに影響を与える
ユーロとポンドではユーロの方が取引量が多く流動性が高いため、ユーロがポンドに影響を与える形になります。
この特徴を活かして、ユロポンをトレードするときは、両者のギャップを狙いに行きましょう。
逆に英国で悪材料が出た場合、ポンド/ドルは下降しますが、ユーロ/ドルはそこまで反応しません。
そして、ユーロ/ポンドは上昇します。
欧州全体でマイナス要因が出た場合は3つの通貨ペアが全て下降で反応し、ギャップがありません。
しかし、英国でマイナス要因が出た場合、ユーロはあまり反応しないため、両者の値動きにギャップが生まれます。
なので、ユロポンをトレードの際はユーロ/ドルとポンド/ドルの値動きも常にチェックするのが◎。
有事のときはヘッジに利用されることも
そのほか、ユーロとポンドは同じ欧州の通貨ですので通常は同じような値動きをしますが、有事の場合にヘッジとして利用されることがあります。
ユーロ側で悪材料が出た場合、ポンドに資金が流れ、その場合ユーロ/ドルとポンド/ドルは逆の動きをします。
ユーロ/ポンドの値動きは、ユーロ→ポンドに影響し、ポンド→ユーロに影響を与えることはあまりありません。
ポンドの値動きがユーロに打ち消されるため、ポンド絡みの通貨ペアの中では穏やかな動きです。
ポンド/円とは逆相関の関係
下のユーロ/ポンドとポンド/円の週足チャートを見てください。
きれいな逆相関の値動きであることが分かりますね。
つまり、両方の通貨ペアをヘッジで使えます。
両方の通貨ペアを買いで保有している場合、もしポンド/円で含み損になってもユーロ/ポンドで含み益になるのでプラスマイナスゼロに近い状態になります。
ユロポンは買いポジションがマイナススワップ。
ですが、両方とも買いポジションにスワップが付く逆相関の通貨ペア同士の場合は、スワップをもらいながら含み損に耐える形になるので比較的精神面で楽になります。
2021年後半ユーロ/ポンドの値動き予想
2020年はコロナのため深刻なダメージを受け、2021年になっても夜間外出禁止や屋内での飲食禁止といった行動制限を設けている欧州。
2021年下半期はどのようになっていくのでしょうか?
欧州各国はバカンスシーズンにむけてワクチン・パスポートを導入
EUはデジタルコロナ証明書「ワクチン・パスポート」が7月1日からスタートします。
このワクチン接種を完了した証明書保有者は、原則としてEU域内の他国の入国時に自主隔離や検査などを免除されます。
ワクチン・パスポートの導入でヒトの往来が自由となり、バカンスシーズンの観光業の押し上げが期待されています。
欧州各国でも一時の厳しい状況から明るい兆しが見え始めている国もあります。
フランス、イタリアでは夜間外出禁止措置が一部緩和されるなど、徐々に経済活動が再開されています。
とはいえデータを見ると、各国の行動制限解除にはまだ遠い印象を持たざるを得ません。
出典:Our World in Data
※2021年6月17日時点の資料
この図は欧州各国で行動制限の厳格度指数の水準を表した地図です。
青色が濃いほど行動制限が高いことを示しています。
欧州では段階的な行動制限の解除が進んではいますが、どの国もコロナ前からは遠い状態です。
特にドイツ、イタリアでは厳しい制限が継続していることが分かります。
まりえ
景気回復がカギ
欧州の1-3月期の実質GDPは前期比-0.6%と2期連続マイナスで、景気後退局面に入っています。
ロックダウンによる行動制限も受けて消費も悪化しています。
一方で失業者数は8カ月連続の低下で、4月の失業率は8.0%まで回復しています。
ただ、改善しているのがドイツ、フランス、ベルギー、オランダ、スロバキアであり、他の国々は横ばいか悪化している状況ですので楽観視はできません。
いずれにせよ、ワクチン・パスポートと行動制限緩和により、夏以降景気回復していけるかがカギとなります。
ECBは金融緩和を維持
ECBは、4月22日の政策理事会で現状の「金融緩和パッケージ」を続けるスタンスで一致しました。
- 政策金利は0.00%据え置き
- PEPP(パンデミック金融対応プログラム)の資産購入額を5000億ユーロ増額の1兆8500億ユーロにし、期限を2022年3月まで延長
- 資金供給の強化策としてPETLRO(パンデミック緊急リファイナンスオペ)を今年中に4回追加
ECBの見通しでは4-6月期のGDPはプラスに転じるという見通しですが、当面は緩和策を維持する構えとの見方が有力です。
英国のワクチン接種が一歩進んでいるため、2021年下半期はポンド強含みか
ユーロ/ポンドですが、今後はどちらの経済が回復していくかで値動きが左右される見通しです。
現状では英国のワクチン接種が世界に先行して行われているので、当面はポンド高傾向になる見込みがあります。
ただ、英国の足元の経済はあまり良い状態ではありませんし、直近で再び感染者が増加傾向にもあります。
そうするとユーロとポンドの力関係が逆転し、ユロポン上昇の材料となります。
テクニカル面での値動きの予測
中長期の値動き
ユロポンは、長期では2017年からのレンジ相場です。
パンデミック下に陥ってもレンジが崩れることはありませんでした。
当面はこの0.83ポンド~0.93ポンドのレンジ幅の中で推移するものと予想されます。
まりえ
チャートのオレンジの丸の部分を拡大してみましょう。
5月17日以降のローソク足が6月14日を除き、全て上ヒゲ陰線になっていますよね。
6月14日は上ヒゲ陽線ですが、コマ足ですので、上昇の力がほぼ押し返された形になります。
この形から、現在は下降圧力に押されています。
ガクッと下がるかもしれないので、注意しましょう。
短期の値動き
短期では2020年末~2021年4月にかけて下降が続いた後、現在は細かい横ばいですね。
当面は0.85ポンドから0.87ポンドのレンジ内で推移する可能性が高いですが、現在の細かい揉み合いが長引いたらエネルギーが上下どちらかに大きく放たれるため要注意です。
レンジのサポートラインをブレイクする場合も考えられるので、リスク管理をに気を付けてくださいね。
2021年下期のユロポンは下降の可能性ありだが双方の経済に注目すべし
ユーロポンドは長期ではレンジ相場となっていますので、当面レンジ内で推移するものと思われますが、レンジ内の動きとしては下降圧力が高いと考えられます。
しかし、現在ワクチン接種が順調な英国のコロナの蔓延状況が変わってきた場合、ユーロが強含みになり、上昇する可能性もありますので、英国、欧州の経済、コロナ、両方のニュースは細かくチェックしておきましょう。
まずは週足で中長期の値動きを見てみます。
2017年後半からレンジ相場となっていますね。
当面の間は高値0.93安値は0.82の間を行き来する形を取ることが予想されます。
3月のコロナショックでもこのレンジを破っていないので、多少のサプライズがあっても形は崩れないでしょう。
注意すべき材料は英国のEU離脱の移行期限までに移行に関するすべての協議を終えることができるのか、という点です。
もし期限の2020年12月31日までに協議が終わらなかったら、レンジが崩れる見込みが。
次に短期的な動きを見ていきます。
レンジ相場中のユーロ/ポンドですが、コロナショック後に安値まで到達せずに上昇しているのが気になります。
しかし、これがレンジ相場ブレイクの兆候とは言えないでしょう。
むしろ、2020年2月に安値ラインに到達した時点でコロナ問題が浮上し、急激な値動きで上昇し、その後の反発で戻り、現時点は予定通りの上昇をしているようにも見えます。
高値の目途は変わらず0.93付近で、到達したら跳ね返されるものと思われます。
まりえ
ユーロ/ポンドでトレードしてみよう
ユーロ/ポンドについて解説しました。
ユロポンは比較的落ち着いた値動きをします。
なので、ポンド/ドルやポンド/豪ドルでボラティリティの高さにリスクを感じた場合にはユーロ/ポンドに切り替えてみると良いでしょう。
中長期ではキレイなチャートを描く傾向があるので、テクニカル分析主体でトレードしている人にはオススメの通貨ペアです。
とはいえ、欧州はEUが複数の国で構成されていることや地理的な環境からゴタゴタが続いている印象なので、突発的な材料には注意しながらトレードしてくださいね。
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