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2000年頃から上昇トレンドの金。
ここ1~2年の金価格は特に勢いをつけて上昇していますよね。
特に2019年から今年にかけての金相場は「40年ぶりの高値」で推移しているとよく言われています。
まりえ
過去40年間の金相場の値動き
現在、国内の金価格は1g5,900円付近で推移しています。
1980年代の価格と同価格帯なんですね。
40年ぶりの高値になっているわけです。
では、現在と同じ高値水準であった1980年代には何が起こっていたのでしょうか。
1980年頃に起きた事件
- 1979年1月 イラン革命
- 1979年11月 イラン米大使館人質事件
- 1979年12月 ソ連アフガン侵攻
- 1980年9月 イラン・イラク戦争
これらの事件が立て続けに起こったことで金価格が上がり、高値水準で推移。
1980年代は特にアメリカと旧ソ連の対立が深刻となっていた時期です。
金価格の値動きはドル相場の値動きと濃い関連があります。
とりわけ地政学リスクがアメリカを巻き込んだ形になると、金価格に影響が出やすくなります。
2000年代に始まった上昇トレンドは現在まで続く
- 2001年 ITバブル崩壊
- 2001年9月 米同時多発テロ
- 2003年3月 イラク戦争
- 2007年 サブプライムローン問題
- 2008年9月 リーマンショック
- 2009年10月 ギリシャショック
- 2010年 欧州金融不安拡大
- 2015年1月 スイスフランショック
- 2015年 12月 米政策金利利上げ
- 2016年11月 米大統領選挙 トランプ氏勝利
- 2016年12月 米政策金利追加利上げ
- 2018年 米中貿易戦争
- 2019年7月 米政策金利利下げ
2000年代はITバブル崩壊から始まり、世界同時多発テロ、イラク戦争と地政学リスクが急上昇。
また、サブプライムローンが幕開けとなった世界金融危機は株式から資金が流出し、金価格の上昇につながりました。
2015年からは米FRBも利上げに転じ、金価格も落ち着きを見せます。
2017年にトランプ大統領が就任してからは米株価も上昇トレンドを続け、金価格も横ばいに推移します。
そして2018年頃から再び金は急上昇します。
2018年には米中貿易戦争、2019年からの米政策金利が利下げへ方針転換することが事前に予測されていたために資金が金に流れたことにあります。
また、2019年に中国の武漢で発生した新型コロナウイルスが2020年に入って世界中に蔓延したことも金価格を押し上げています。
金価格とユーロ/ドルは相関関係
ユーロと金は正の相関関係と言われています。
どちらかといえば短期的な動きで連動する傾向
ユーロは多国籍通貨でバスケット通貨としての性質があり、そもそもドルと逆の動きをする傾向が。
そのため、同じくドルと反対の動き=金と似たような動きを見せるんですね。
金とユーロがそれほどシンクロしないのは景気拡大局面が要因。
ドル安ユーロ高になったら金は上昇が鈍り、相関性が薄れる傾向があります。
実際に金投資するときはどう活かす?
ユーロの値動きをチェックして、ユーロが上昇していることを確認して金に投資をする、またはその逆を行うということを行います。
金投資をしたい場合はユーロ/ドルのチャートを、ユーロに投資したい場合は金相場を定期的に観察するようにしておくと良いでしょう。
金価格とドル/円は逆相関の関係にある
チャートにご注目。
ドルは世界の基軸通貨
「有事のドル」として危機のとき買われる事がありますが、米国がを巻き込んだ地政学リスクや経済危機が起こった場合はドル売り傾向が高まります。
金は主にドル建てで取引されますので、ドルに不安があれば資金は金に移動し、ドルに期待が持たれれば資金は金からドルに移動します。
このようなことが起こるので必然的にドルと金は逆相関が起こります。
ドル/円の通貨ペアは、円建て金(東京金)価格の動きと特に逆相関
まりえ
円建て金を投資している場合は、ドル/円や米国の動向をよくチェックしておくと良いでしょう。
注意したいのは、金とドルが逆相関だからと言って何も考えずに資金を投入しないことです。
特に最近では相関、逆相関の関係であってもその値動きは複雑化しており、きれいにその通りになるかは分からないからです。
ドルはさまざまな要因が絡まって値動きをしていますので、あくまでも値動きの傾向として相関・逆相関を捉えておくようにしてください。
今後も金はユーロ、ドルと密接な値動きをする可能性があるが複雑な値動きにも注意
金価格は地政学リスクが起こると上昇傾向になり、ユーロとは相関関係、ドルとは逆相関の関係にあります。
まりえ
世界経済が複雑化していることもそうですが、地政学リスクになりうるような国際的な事件が起こっても金がさほど反応しない、ことも。
世界的に大きな事件でも、米国にさして影響がなければ無反応に近い値動きで終わることがありますので、なにか事件が起こったからといって何も考えずに金に飛びつくのは危険です。
また、ユーロやドルとの関係性も値動きが複雑化している傾向が見られます。
最近ではきれいな相関関係、逆相関関係のチャートを描かないことも。
これまでのセオリー通りに投資してしまうと痛い目を見ることがありますので、値動きをよく観察して投資することをオススメします。
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