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2019年、香港で大掛かりなデモが起こりましたよね。
同年7~11月にかけてのデモは犯罪の容疑者を中国本土へ引き渡すことを認める「逃亡犯条例」の改正案に反対するものでした。
そして10月〜デモは激化。
警察が実弾を撃って怪我人を出すなど、日本でも香港の様子は大きく報道されました。
まりえ
また、今後どのような展開を見せるのか?
今回は、香港のデモが起こった原因や今後の動向についてまとめていきます。
香港は歴史上の意味合いから「高度な自治」による「一国二制度」が成立している
まりえ
日本から4時間ほどの距離にあるため、日本人にも親しまれている観光都市。
そして経済活動も活発で、世界有数の金融都市でもあります。
かつてイギリスの植民地だった香港
その香港、実は1839〜1842年のアヘン戦争を経て、イギリスの植民地でした。
その後1997年7月1日に香港はイギリスから中華人民共和国に返還。
中国の特別行政区に。
その際「一国二制度」を敷き、2047年まで中国の社会主義政策を香港では実施しないことが約束されます。
現在、香港は中国でありながら資本主義の地域
そのため自由な経済活動が行われ、何を考えどんな意見を発信しようが自由です。
しかし、次第に中国政府が香港に対して影響力を強めるようになってきました。
これらの社会主義化を匂わせる動きや中国共産党の一党独裁に抗議して、香港では若い層によるデモが度々起こるようになりました。
ところが…。
香港の人々は生まれた時から一国二制度の社会で生活しています。
それがいきなり社会主義に変わったら…将来我が子たちが社会主義の環境の中で生きなければならないとしたら…。
このような不安が香港の若者らを駆り立てているのです。
【2019年のデモの原因】「2019年逃亡犯条例改正案」が提出されたから
2019年2月13日「2019年逃亡犯条例改正案」という法案が提出されます。
これは、海外で犯罪を実行したと思しき容疑者が香港にいる場合、協定を結んでいる国の要請によって引き渡し出来るものです。
2019年に提出された改正案は、身柄引き渡し手順の略式化、引き渡し先に中国大陸、マカオ、台湾が含まれました。
つまり、中国から引き渡し要請されたら、香港行政長官はそれを受け、香港市民が中国本土で裁きを受ける可能性があります。
これまで資本主義社会で生活してきた香港市民が社会主義で裁かれる可能性がある
それなのに、中国に連行されれば社会主義の理屈で裁かれる恐れがあり、人権問題や表現・言論の自由が制限されることを懸念されます。
実際、中国共産党への批判は取り締まりの対象となります。
中国では政府批判した人を別容疑で逮捕されたり、行方不明になる例があります。
また、拷問や自白強要の指摘もあることから、香港の人たちは何としてでも改正案撤回を求めたいがためデモという手段に至ったのです。
中国ではGoogleやYoutube、Twitter、Facebook、LINEなどは利用不可
一方、香港では問題なく使えますから、今後中国共産党の締め付けや強まったり、完全に中国共産党の管理下となった場合、これらのサービスは閲覧できなくなります。
香港では自分の考えをSNSを使って自由に発信できます。
ですが中国の締め付けが強まった場合、ネットで自由に意見を発信できなくなる可能性が出てきます。
今後、言論の自由が統制される可能性も
これは非常に圧迫感があり、不安な状態に置かれることでしょう。
香港の人たちは、今後そのような状況に陥るのではと不安なのです。
まりえ
微博は日本人でもアカウントを作成できます。
けれども、あることに注意しないとアカウント削除、つまり垢BANを食らってしまいます。
それは台湾、香港に関する記述です。
これらに関する投稿は気を付けて投稿しないと垢BANの対象になってしまいますので、気を付けて利用しています。
そういうことを検閲されるのは窮屈な話ですよね。
中国ではネットの発言も政府の監視対象で、なんでも自由に投稿できるわけではありません。
まりえ
これが香港市民が実際に目の当たりにしていることなのです。
香港のデモは世界的な懸念事項となっている
香港で起こったデモは、世界中の注目を浴びました。
天安門事件を想起させる
というのも、1989年の天安門事件のようなことが再び起こるのではと危惧されているから。
天安門広場に民主化を要求するデモ隊が集まっていました。
そこに中国の軍隊が武力で制圧し、多数の死傷者が出たところがメディアを通して世界中に報道されました。
このため、現在の中国がデモ隊に対してどのような対応をするのかが非常に注目されています。
米中貿易戦争の行方は?
また、米国と中国の間には長期間にわたって貿易戦争が続いています。
香港のデモが米中対立を深める原因ともなり、中国経済にも影響を及ぼしています。
今後どうなっていくか
2020年5月「香港版国家安全法制」が決定
中国大陸側で「香港版国家安全法制」を策定する方針が全人代(全国人民代表大会=議会)で決まったことにより、デモが再び大規模になりつつあります。
これまで「高度な自治」を保障してきた「一国二制度」が崩壊してしまうとの懸念から、香港市民は「香港が香港でなくなってしまう」という危機感がかつてないほど高まっています。
どんな行為が罪となり、どれくらいの刑罰が科されるのか、それがすべて中国本土で決められてしまいます。
香港人にとっては、自分たちに用いられる法律が中国から強要される形になってしまうのです。
多くの人々が言論の自由が損なわれることを懸念
SNSに載せたことも監視されるようになり、取り締まりの対象になるのではという不安も若者を中心に広まっています。
現在でも平日の夜や週末には集会やデモが行われています。
2020年内はこの「香港版国家安全法制」をめぐる動きにより、香港で大規模なデモが起こっていくでしょう。
為替相場への影響
では、香港のデモにより、相場への影響はどうだったでしょうか。
香港、中国共に市場は割と落ち着いた状態を維持していました。
まりえ
特に中国が香港市民に対して武力行使を行うようなことがあれば資金が流出する可能性がありますので、注意が必要です。
オーストラリアの輸出額が1番多い国は中国
ということはオーストラリアの1番のお客さんが中国ということですよね。
中国の景気が落ち込むと、そればオーストラリア経済の落ち込みにつながります。
ただ、最近は豪中関係が悪化しています。
また新型コロナウイルスの感染拡大も相まってオーストラリアは脱中国に動き出しています。
今後は徐々に中国の影響が薄まってくる可能性もありますが、現在豪ドルに投資している場合は中国と香港の動向にも注意を払っておきましょう。
今後もデモが起こる可能性はある【リスク管理】
2020年前半はコロナの影響もあり、9人以上で集まることを禁止されていました。
そのため、デモの規模も小さくなっています。
しかし、今後「国家安全法制」をめぐる動きが香港市民の生活を脅かすようなものであれば、再び大規模なデモとなる可能性は十分にあります。
現時点でデモをきっかけとして市場に大きなインパクトを与えることはあまりないですが、今後同じような値動きをするとは限りません。
なので香港ドル、中国元に投資するならリスク管理をしっかりとしておきましょう。
まりえ
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