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FXをしていて「ミセスワタナベ」という言葉を聞いたことはありませんか?
また、「ミセスワタナベ」という名称でありますが、女性投資家を指しているのではなく、日本人の個人投資家を総称してそう呼ばれています。
ここでは日本人個人投資家のミセスワタナベの投資傾向や「ミセスワタナベ狩り」について解説していきたいと思います。
FXブームで「ミセスワタナベ」が世界的に有名に
ミセスワタナベの名前が最初に使われたのは1997年3月の英国の「エコノミスト」という経済紙の中ですが、ミセスワタナベが有名になったのは日本でもFXブームが起こった2006年ごろのことです。
まりえ
当初、世界のプロの投資家たちはこの不思議な動きは1人の巨大な謎の投資家が行っていると考えていました。
しかし、実際は日本人の個人投資家が少額の投資額でトレードを行っており、トレードの時間帯も会社の昼休みや家事の手が空いたお昼過ぎ。
ミセスワタナベのトレードスタイル
ロングポジションを取る
ミセスワタナベは基本ロング戦略です。
買いポジションはスワップ金利が得られるためスワップ狙いも相まって、基本的には買いでポジションを構築する傾向にあります。
こちらは外為どっとコムの「ポジション比率情報」です。
これは外為どっとコムの顧客の売り買いポジションバランスの推移を図示したもので、外為どっとコムの顧客に限られるとはいえ、国内の投資家が動向が分かる便利なツールです。
こちらは米ドル/円のポジション比率情報ですが、売りポジションに比べて買いポジションが3倍近くになることが分かります。
さらに高金利通貨のメキシコペソ/円を見ると、ポジションの比率は圧倒的に買いポジションが多くなっていることが分かります。
このように、ミセスワタナベは買い傾向が強いことが分かります。
クロス円が中心、高金利通貨が好き
ミセスワタナベのポジションはほとんどが円売り外貨買いまたは円買い外貨売りのクロス円が中心となります。
クロス円は外貨預金感覚で馴染みがあるほか、日本が長らくゼロ金利に近い低金利政策を続けていることもあり、クロス円を選ぶ傾向があります。
中長期トレード
ミセスワタナベのトレード期間は、スワップ狙いの長期トレードや中期のスイングが中心です。
仕事や家事の合間にトレードしている人が多く、瞬時の判断を要するデイトレやスキャルピングよりは相場の大きな流れについて行く中長期戦略を取る傾向にあります。
昼休み、夜を使って副業でトレード
ミセスワタナベの多くは仕事や家事の合間を使って副業でトレードしています。
そのため、空き時間の昼休みや夜の時間がトレードに充てる時間です。
トレードに割ける時間が少ない為、あまり情報収集する暇がないのも特徴です。
逆張り傾向
ミセスワタナベのトレード傾向の1つが「逆張り」。
ミセスワタナベの逆張りの特徴は、現在価格よりもいくら下がったら買う、いくら上がったら売るという値ごろ感による逆張りを行う傾向が見られます。
基本的にミセスワタナベたちは、為替や中央銀行の指標発表などを敏感に追いかけたり情報を分析している時間はありません。
本業の合間にトレードを行うためにある程度の値動きがあると取引を行う、という行動をとります。
そこで、「まもなく反転しそう」「そろそろ上昇トレンドになりそう」で逆張りの買いエントリーを行います。
そこにテクニカル分析やファンダメンタルズの裏付けはなく、単に値ごろ感を錯覚したトレードに陥りがちです。
その後の値動きがたまたま当たることはありますが、反転しなかった場合はトレンド継続ですので、どんどん下降し、塩漬けポジションか損切りになります。
個人投資家は損切りも嫌がりますので、値ごろ感でエントリーして塩漬けポジションの山を築くことになります。
ストップロスを狙ったミセスワタナベ狩り
買いポジションが中心になったり、値ごろ感でポジションを構築している日本人の個人投資家。
そのストップロスを海外のヘッジファンドが狙い撃ちしている可能性があるということは、市場の中でも良く言われる話。
これをミセスワタナベ狩りと呼ばれ、日本の早朝の時間を狙って急激に為替が暴落するという現象が度々起こっています。
ミセスワタナベ狩りが狙われやすい理由
これはOANDAオーダーブック(通称クソポジチェッカー)のオープンオーダーになります。
これをチェックすれば、個人投資家の注文状況が棒グラフでひと目で分かりますよね。
OANDAのオープンオーダーもOANDAの顧客の個人投資家のみのデータになり、機関投資家は入りません。
まりえ
まず、表の右下は買いの指値注文です。棒グラフが突出している部分はこの値に指値注文が集中していることを表しています。
次に表の左下がストップロス注文になります。
105.700、105.600、105.500と104.400、104.000に大量のストップロスが置かれているのが分かります。
ヘッジファンドはこの価格を目指して売りを浴びせればストップロスによる売りがさらに売りを呼び大きく値を下げることができます。
個人投資家のストップロスにより大幅に値下がったところで利確し、さらにドテンで買いを入れれば良いわけです。
このように、ミセスワタナベ狩りが行われやすい理由として、買い注文が中心であるほか、ストップロスがキリの良い価格に置かれていることがあります。
分かりやすい場所にストップロスを皆が置くため、その地点の注文が厚くなり、突破すれば売りがさらに大きくなって急落するわけです。
ミセスワタナベ狩りが狙われやすい時間帯
ミセスワタナベ狩りが頻繁に起こる時間帯といものがあります。
ヘッジファンドと言えど巨大な為替市場で価格を操作できるほどの資金量はありません。
しかし、流動性の低い時間帯である日本の早朝の6:00~8:00頃であれば取引が少ないため、ヘッジファンドは価格を下降させてストップロスを狙うことができます。
まりえ
その他、日本が連休中で東京市場が休場になっている日も狙われやすいと言われています。
トルコリラ狩り
トルコリラは高金利通貨として日本人投資家に大人気の通貨でしたが、度々ミセスワタナベ狩りと思われるような日本時間早朝の急落が起こっています。
チャートは2017年10月9日(月)の早朝の大陰線。
体育の日で祝日でしたね。
週末の10月6日(金)の終値は31.10円付近。
ところが週明けの7時頃からたった13分で29.60円付近まで急落しました。
もう1つチャートをチェックしていきますよ。
2018年5月23日の7時過ぎ、突然の急落が起こります。
トルコリラは下降を続けているものの、この時間帯に何かニュースが入ったわけではありません。
特段の材料がないことからこれも投機筋によるミセスワタナベ狩りだと言われています。
2019年1月3日フラッシュクラッシュ
2019年も年明け早々に為替の急落があり、これもヘッジファンドの個人投資家狩りではないかと囁かれています。
1月3日の7:35に1ドル=108円台前半で推移していたドル円がわずか1分で4円も下落し、1ドル=104円台に。
1月3日といえばまだ日本はお正月でのんびり過ごしている人も多く、この急落で強制ロスカットになってしまった人も多かったですね。
この日は個人のロスカットが前日の1月2日の約10倍にもなったと言われています。
池辺雪子【ミセスワタナベの代表格】
一般的な主婦だった池辺さんが4億も稼いだ手法は、どのようなものなのでしょうか?
池辺雪子(いけべゆきこ)さんのプロフィール
東京在住の投資家で、これまでの利益は8億円にも上るそう!
年齢は非公開でした。
趣味は旅行で毎年国内外さまざまな場所を訪れており、海外は38か国、国内の温泉は全て網羅しているんだとか。
その他に着物やアクセサリーなどファッションもお好きなようです。
もともとフラワーアレンジメントのお教室を開いていたようですが、証券会社に勤める友人から株式投資を勧められたことが個人投資家としてのスタートだったそうです。
現在は証券会社主催のセミナーに登壇したり、自身の投資経験をもとにしたメールマガジンやコラム、書籍などの執筆活動を行っています。
2000年にFXを始める
池辺雪子さんがFXを始めたのは2000年です。
もともと一度決めたことはとことんやりぬく性格のようで、相場を理解するためにたくさんの書籍を読破し、1日3時間睡眠でチャート研究に没頭していたとのこと。
その努力のおかげか、順調に利益を伸ばしていき、2002年~2005年までの3年間で4億円もの資産を稼ぎます。
しかし、2007年に転機が訪れます。
池辺さんはFXで得た所得を申告してなかったのです…。
まりえ
その後所得税や罰金などを含めた約5億円を全て即金で支払い、2010年9月に執行猶予が明け、現在も投資家として活動しているそうです。
池辺雪子さんの評判
2007年当時は巨額の脱税、その後5億円もの税金や罰金を一括で支払ったことで話題になりましたが、最近の実績は情報が少ないせいか、あまり評価されていません。
Amazonの書籍レビューでは賛否両論といったところですし、2010年以降は出版していないので何とも言えないのが現状です。
参考程度に書籍を読んでみて、内容を鵜呑みにせず、あなた自身で検証してから取り入れるのが良いでしょう。
池辺雪子さんの手法
では、どんな手法で3年で4億円もの大金を稼ぎ出したのでしょうか?
所得の申告さえ忘れなければ全く問題ないので、池辺さんの手法の中の1つをご紹介します。
2000年代の相場環境
まずは池辺雪子さんが4億円稼いだ時の相場環境についてご紹介します。
当時トレードしていた通貨ペアはユーロ円、ユーロドル、ドル円で、ユーロ中心でした。。
ユーロといえば1999年に正式に導入された欧州連合の統一通貨です。
ユーロは誕生後からは下降トレンドが続きますが、欧州各国銀行による協調介入と、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロにより資金がドルからユーロに流れたことで、上昇トレンドへと転換。
長い上昇トレンドの後、2008年のリーマンショック、ギリシャショックを発端とする2010年の欧州債務危機により下降します。
つまり、池辺さんがユーロでトレードしていた2000~2007年の時期は長期の上昇トレンド中で、買ってさえいれば資産は増えていった時期となります。
これを踏まえて池辺さんの手法の1つを見ていきましょう。
長期RSI・短期RSIを使ったエントリー手法
短期と長期のRSIを2本表示して2本の乖離の幅が広がった時にエントリーする方法です。
RSIは13日(赤)と42日(オレンジ)の2本を表示します。
そして2本の幅が20以上開いたときにエントリーします。
チャートでは緑色の枠の時に短期RSI(赤)が大きく下げて長期RSI(オレンジ)から離れています。
この時に買いエントリーをします。
このチャートとは逆に短期RSIが大きく上昇して長期RSIから離れた場合は売りエントリーです。
注意点は2000年代当時と現在とではボラティリティなど相場環境が異なっており、2本のRSIが20以上乖離する場面は滅多になくなってしまっています。
15程度の乖離は頻繁に起こりますので、15の乖離でエントリーして損切を入れる、などルールをアレンジして検証してみると良いでしょう。
資金管理をしっかりと行っていた
池辺さんのトレードの特徴の1つに、損切よりも資金管理に重きを置いていたという点があります。
資金管理は投資資金を口座残高の3分の1~半分くらいまでにとどめておき、余裕を持ったトレードをします。
レバレッジで言えば10倍前後までに収まる程度のリスクで余裕を持った資金でトレードをするというものです。
資金に余裕を持つことで心も安定した状態でトレードできるため、思惑と違う方向に相場が動いても落ち着いてトレードできるわけです。
一般人に夢を与えた池辺雪子さん
普通の主婦が大きく稼いだという話は個人投資家にとってはワクワクする話ですよね!
池辺雪子さんはメルマガによる情報発信のほか、書籍も出版しています。
上でご紹介した通り、2010年以降は出版していませんし、あまり池辺さんを評価していない人もいます。
なので、本を読んでみて自分で検証して良いと思った手法や考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。
安易なポジション取りは危険!ポジション管理はしっかりと
ミセスワタナベは海外のヘッジファンドにカモにされやすく、今後もストップロスを狙ったミセスワタナベ狩りはあるでしょう。
最悪ロスカットになればまだ良いのですが、国内FXでは最悪の場合、ロスカット注文が間に合わずに口座残高がマイナスになり借金になってしまうことさえあります。
ポジション管理をしっかりしてミセスワタナベ狩りが起こったとしても耐えられるレバレッジをキープしましょう。
まりえ
\ハイレバトレードでがっぽり利益GET!/